私は旅が三度の飯より好きで、
旅関係の情報を見るのも好きだが、
中でも特に心惹かれるものがある。
パッキング動画など、旅の荷物を紹介するような情報だ。
所有物には、その人の人となりが表れる。
特に旅の荷物となると、その中でも少数精鋭の部隊であり、選ばれている理由があるはずだ。
私は良くも悪くもムダを好まない性分のため、
その「ムダを排除された(であろう)完成形」に、
ある種の美しさや潔さを感じる。
そんなわけで、自らの持ち物も少数精鋭主義だ。
それはたとえ、せっかちなサザエ姉さんが耳を引っ張りながら
「早くしなさいよ!」
と言ってきたとしても、モノ選びに熟考は欠かせない。
今回は、その中でも3本指に入るほどの熟考の末に入手した、旅のカバンを紹介したい。

足掛け3年
自慢ではないが、これに辿り着くのに3年かかった。
リュックなんて3年も悩んで買うものでもない、とあなたに言われてしまいそうだ。
そういうことなら逆に私から、全人類のリュック愛用者へ聞いてみたい。
あなたの背中にある、それを選んだ決め手は何か。
これだけの製品が世にひしめき合う中、そのたった一つを選ぶ、その心は。
食品、消耗品以外の買い物は、特に責任を伴う。
それらは食べたら最後、この世から消える食品とも、顔に塗れば減っていく化粧品とも違う。
手元に招き入れたが最後、何かアクションをしない限り、ずっとそこに居続ける。
居続けるからには、その場所を取り続けるだけの意義あるモノであるべきで、
こちらも、それに見合った対応をしていくのが理想である。
書いてしまえば当たり前のことのようだが、
日常の隅から隅までこの意識でモノを選んでいる人を、私は全人類中でひとりしか知らない。
そして私も、移住を決めて以降、そのモノの終末まで考えて選ぶようになった。
3年悩んだのは、選択肢が多すぎたこともあるが、
乳児から幼児にかかる頃の買い物は、特に一時的になりやすいことも理由のひとつだ。
前置きが長くなったが、3年熟考の末に迎え入れた、我が家のリュックを紹介させてほしい。
姉さん、やっと決めました
香港に拠点を置く、NORDACE社製「NORDACE Siena」。

このリュックは、以下のような条件を望むあなたへお勧めできる。
旅が好き
電子機器を持ち運ぶ
中身が整った状態が好き
軽くて丈夫
旅に特化した製品を多くラインナップするブランドで、このSienaだけ見ても、本当によく考えて作られている。
3年悩んだので認めたくはないが、マザーズリュックとしても、これ一択で良かったのではないかと思うほどだ。
私は仕事柄、15インチのラップトップに加え、12.9インチのiPadを愛用している。
旅先で仕事をする場合、この2台をカバンに詰めて持ち運ぶ必要があるが、
これに電源ケーブルやマウスなど周辺機器を合わせると、結構な重量になる。


問題は、飛行機移動のある旅の場合。
重いものはスーツケースに入れていくが、電子機器は預け入れ荷物に入れられないため、手荷物で移動する必要がある。
かといって、自宅から手荷物で2台を持っていくと、移動の際の身体的負担が大きい。
幼児との移動は時に、抱っこテロに見舞われることが想定され、なるべく手ぶらに近くしておきたいのだ。
結局このリュックに辿り着くまでの3年間は、
- スーツケースに2台入れて移動
- 空港でスーツケースを開けて、手持ちのバッグへ2台放り込む
- 重い荷物と幼児を抱えて空港内を移動
- 重い荷物と幼児を抱えて搭乗
を繰り返していた。
誰か、この愚行を繰り返す当時の私に、一言アドバイスをしてやってほしい。
とはいうものの、この愚行の結果、本当に必要な機能を発見したのであり、
必要なステップだったと言える。(しかし3年は長い)
そしてめでたくも、問題はすべて解決した。
「ラゲージストラップ」というアイディアは、ノーベル平和賞級の大発明である。

パソコン2台も持ち運ばないわ、というあなた。
例えば将来的には、子ども用と自分用、2台のiPadを持ち運ぶこともあるかもしれない。
そしてそもそもこのスリーブは、精密機器専用ではない。
実際、本や書類を持ち運ぶ際は、このスリーブポケットに入れることで、折れ曲がりを防ぐことができて重宝している。

早く海外へ行かせてください。

他にも色々便利機能があるのですよ
旅に最適化した商品は、日常でもよく機能する。
このリュックもそうだが、衣類にしても靴にしても、何でもそうだ。
その理由から、近頃は私のモノ選びは、まずアウトドアブランドから探すほどだ。
難点があるとすれば、標準的な女性には少し大きめなことだ。
160cm未満、BMI17%の私のようなヒラメには、特に。
そうはいっても、私の移動生活には欠かせない、頼もしい相棒である。