「ご妊娠中でなければ、ぜひお使いください。」
そう言われ、女はあるものを受け取った。
…ご妊娠中であれば、一体何が起こるのだろう?
女は、人生で始めて【それ】の中身について、考え始めた。
そして奇遇かつ恐ろしいことに、その2週間後、妊娠が発覚するのである。
私の話だ。
当時通っていた歯科で、サンプルの歯磨き粉を頂いた時のこと。
今では、そのことに気付かせて頂いたことに感謝であり、
また幸いなことに、自覚なき妊婦であった当時の私は、
妊娠発覚時にはそのサンプル品を、まだ使用していなかった。
妊婦には一言警告すべきものであるにも関わらず、それ以外の人にとっては無害だという。
それは、本当に無害なのだろうか。
確かにハーブなどは、特定の人にとっては禁忌があるが、通常は問題ない。
そのことを考えれば、歯磨き粉についても、ありえる話かもしれない。
しかし、工業製品に限って言えば、
万人にとって、避けられるのであれば避けたほうが無難なのでは?

そこから女は、歯磨き粉について真剣に調べ始めた。
歯が磨ければ、それ以外に特にコダワリはない、とあなたはいうかもしれない。
しかし口腔は、すべての食品が体内へ取り込まれる際の入口にあたる。
それ故に、口腔環境が内臓の健康に影響するのは、納得のいく話だ。
それはちょうど、風呂釜を月に一度は洗浄することを勧められる理由と同じであり、
我が子が毎日使うイエローボトルのストローを、常に清潔にしておく理由と同じである。
誰の仕業?

調べてみると歯磨き粉には、賛否両論ある成分が含まれることが多い。
色は別に何でも良いのにと思うが、清潔感を表す「白」にするだけでも、
何かしら添加しなければ成立しないのが、歯磨き粉業界の常識のようだ。
中でも女が気になったのは、「フッ素」や「フッ化ナトリウム」。
これについては、無数の記事や文献が出てくる。
その事実そのものから、この成分は避けるべきと言われているように思えてならない。
なぜなら例えば水や塩のように、口にしても無害なものなら、話題にすらならないからだ。
実際に文頭のサンプル品には、フッ素がしっかり入っていた。
妊婦さんへお勧めできない理由は、これの可能性が大きいと断定。
海外ではフッ素入りの歯磨き粉の販売は違法なところが多数あるらしいのだが、
日本ではその多くに含まれている。
歯科でわざわざ塗られるケースも多い。
その背景に大人の事情を感じさせられる証拠に、
未添加の製品はそれほど多くない。

フッ素との決別は決めていた。
完全に自然派でいくのであれば、
- 塩や重曹をブラシにつけて磨く
- 何もつけないで磨く
という選択肢が有力だ。
主治医の話では、実際のところ何もつけなくても、
ブラシできちんと磨けていれば問題ないとのことだった。
しかし、長年「何か」をつけて磨くのが普通の大人にとっては、
歯磨き粉によるすっきり感は欠かせないポイントのように感じられる。
結局、どれだけ良いと言われようとも、使用感が合わないと続かないのは、
どんなものでも同じだ。
そういった経緯で、以下の条件で歯磨き粉の選別を行なう。
- 日本で入手可能
- フッ素を始めとした、賛否両論ある成分を含まない
- 使用感が好みに合う
- 常識的な価格
この条件をクリアし、今のわたしの口腔環境を守ってくれているのは、こちらだ。

モデーア社製「トゥースペースト」。
アメリカの会社だが、日本法人から国内で購入可能。
このメーカーは、どの製品でも賛否両論ある成分を排除することを宣言しているため、
何かを新調する必要があるが、きちんと調べる余裕がない場合に、
思考停止さながら、ひとまず購入するというかたちで、
家中でお世話になっている。
使用感もよく、怪しい成分も入っていない。
フッ素系が入っていない歯磨き粉は他にもあるが、
使用感が合う、こちらに出合うまでに、片手の指以上は試した。
個人的に微妙だと思うのは、パッケージの色合いくらいだ。
(完全に主観)

ちなみに2個あるのは、2個セットなわけでも、
私がうっかり注文したのでもない。
このメーカーを信用できると感じる一番の理由は、
欠品がひどいこと。
成分をこだわるがゆえに、納得のいく材料が手に入らないと、すぐ欠品して購入不可になってしまう。
そんなメーカー、他に聞いたことがあるだろうか。
欠品すると愛用者は勿論困るが、
入ってくるはずの売上が上がらないわけだから、メーカーだって困るはずだ。
それでもあえて欠品してまで材料にこだわる、その姿勢は信頼に値する。
そんなわけで、複数ストックしておくのがお約束なため、
当面の私の口腔環境の安全は保証されている。