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未知なる世界への没頭体験、授けます

あなたが最近読んだ本は、どんなものだろうか。

それは名作漫画かもしれないし、

百年以上前に書かれた古典かもしれない。

また向上心溢れるあなたなら、自己啓発書に熱心にマーカーを引いているかもしれない。



いずれにせよ大人になるにつれて、趣味嗜好はある程度、固まってくる。

そして偏りが生まれ、自分では決して選ばない領域が、どうしても出てくるものだ。

そんな大人のあなたへ、既に偏りの外側にあるであろう、

未知なる世界への没頭体験を授けたい。



それは、普段は全く物をねだったりしない我が息子(3)が、珍しく書店で手放さなかったものだ。

そんな彼の直感なら何かあると思い、四の五の言わずに買うことにした。

博士。僭越ながら、まずこれを

その本を紹介する前に、物知りなあなたへ、いくつか質問したい。

1.一万円札は「紙」で出来ているが、この紙の原料は何か?
2.一時期大流行した「タピオカ」、その原料は何か?
3.あなたが住んでいる立派な木造住宅、その基礎は主に何と何で作られているか?

3つとも答えられたということなら、あなたにはこの本は必要ない。

一方、仮にひとつもピンとこないなら、少し覗いてみるといい。



いかに自分が何も知らないか、はっきりわかることだろう。

もちろん、それは初見の私のことだ。

3歳児の、そしてその母の心を掴んで離さない名著。

小学館の図鑑NEO「分解する図鑑」



取り上げられるのは、電車やエレベーターなど、日頃からお世話になっている機械、

また常日頃から口にしている食材など、多岐に渡る。



専門的に学んだことがなければ、およそ知らないまま一生を終えるような、

マニアックなその「中身」を、分解することで明らかにしてくれる図鑑だ。



先程の質問の「一万円札の原料」。

手触りや厚みからしてパルプではないのは、素人目にも明らかだが、

その正体は主に「ミツマタ」と「アバカ」。

大半の人にとっては、まずミツマタとアバカについて学ぶ必要がありそうだ



お金の教育は、今のところ公的教育では学ぶ機会がないので、

家庭で興味を持たせ、学ばせてあげる必要がある。

その事実に気づいてから、母もお金について学んでいる最中だが、

3歳児も近頃、その概念に興味を持ちつつある。



「タピオカの原料」は、キャッサバという、トウダイグサ科の芋(根)のでんぷん。

生食では毒があるそうだ。



生で毒があるのにも関わらず、更に危険を犯し、加熱してでもそれを食べようとした、

(かどうか、経過はわからないが)

いうエピソードも、タピオカ(と、それを最初に口にした人)に対する、

一定の敬意を持つには充分だ。



ドラえもんが、常にどら焼き一択で喜んでいるように、

私もタピオカドリンク一択で飛びついていた時期があったが、

正直に言うとその時点では、あれは「正体不明の丸いモチモチ」だった。

親子はひとつ、賢くなった。



「木造住宅の基礎」。

一般的には、ベニヤ板等で型枠を作り、コンクリートを流し入れたものが基礎である。

その基礎には、縦に横に鉄筋が張り巡らされている。

他にも下準備をしているが、主に原料は「コンクリート」と「鉄筋」。

建築構造が三度の飯より好きな私は、このページだけで1時間楽しめる。



以前、植物に興味を持つことを激しく勧めた記事を以前書いたが、

同じく建物に興味を持つと、どこに出掛けても楽しめるようになる。

3歳児はまだ乗り物など動くものに興味があるようだが、徐々にこの良さもわかってくるだろう。






他にもマニアックな「分解図」が全120ページ分、収められている。

トンネルの下には
避難通路があるらしいです。
足元ではこれだけのものが
私たちの生活を支えてくれています。
地球儀を組み立てているところ、
大変おもしろいです。

図鑑は子どもに向けて作られているので理解しやすく、

大人でも興味の範囲を広げるのに、まさにうってつけだ。



子どもには「夏休みの自由研究」があるが、我々にはない。

自分の意志で動いていかない限り、新しい世界は広がってはいかないのだ。



娯楽の本でリフレッシュするのもいい。仕事に役立つ本を読むのも素晴らしい。

そして時々は、人間が本能的に持つ好奇心を呼び起こしてくれる名著を携え、

子どもと共にワクワクした時間を持つことも、また素晴らしい。

これを移住に持っていくかどうか、大変悩ましい(でも持っていく価値はあると思っている)。
子どもの本は、やっぱり電子より紙がいいと思う。

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